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東京大学医科学研究所は、文部科学省の「新興・再興感染症研究拠点形成プログラム」の支援を受けて、2005年度から北京市で2カ所、ハルビン市1カ所、合計3カ所で感染症に関する日中共同研究を推進しています。中国科学院は中国全土に約100の様々な研究所を持つ大きな国家組織ですが、我々は中国科学院微生物研究所と中国科学院生物物理研究所という北京市にある2つの生命科学の研究所と連携し、研究を推進しています。それぞれの研究所の中に日中共同研究室を設営し、北村義浩特任教授、松田善衛特任准教授が現地に常駐して日本人スタッフや中国人若手研究者とともにHIVや肝炎ウイルスなどをテーマとした研究を行っています。ハルビン市では、中国農業科学院ハルビン獣医研究所において、河岡義裕教授と現地の陳化蘭教授が高病原性鳥インフルエンザに焦点を当てた共同研究を行っています。これら中国における活動を支えるために北京にプロジェクトオフィスを設置しています。
中国は巨大な国で、近年都市部で著しく経済が発展している一方、途上国としての側面も持っています。2003年に、中国を起点に発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)が世界中に大パニックを引き起こしましたが、H5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザ、HIV感染症など、新たな感染症(新興感染症)の出現や増加が問題となっています。また、肝炎に代表されるような従来からある他のウイルス性疾患や結核等の細菌性疾患(再興感染症)も重要な課題です。中国は、歴史的にも地理的にも日本にとって最も重要な隣国です。日本人研究者が中国に長期的に常駐し、中国の研究者と共にこれらの感染症に立ち向かいつつ、日中双方の若手研究者を育成し研究成果を世界に発信するばかりでなく、日中の相互理解のために貢献することをめざしています。皆様の暖かいご支援をよろしくお願いいたします。
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