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研究代表挨拶

アジア感染症研究拠点 拠点長 川口 寧 東京大学医科学研究所(医科研)は、文部科学省の支援を受けて、岩本愛吉前研究代表の統括のもと、2005年度から北京市に2拠点、ハルビン市に1拠点をおいて、感染症に関する日中共同研究を推進してきました。 第1期5ヵ年(2005〜2009年度)は、「新興・再興感染症研究拠点形成プログラム」として、全く新たな医科研の海外拠点活動を中国国内で立ち上げ、日本人研究者が中国に常駐して中国人研究者と共に研究を行う体制を作り上げました。 第2期5ヵ年(2010〜2014年度)は、「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム」として、継続的かつ将来性のある国際共同研究を展開してきました。 そして2015年度からは、私、川口が、岩本前研究代表の後を引き継いで研究代表となり、時を同じくして立ち上がった国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「感染症研究国際展開戦略プログラム」として第3期5ヵ年(2015〜2019年度)を開始いたしました。 プログラムの課題は「中国拠点を連携中心とした新興・再興感染症制御に向けた基盤研究」です。
中国科学院(Chinese Academy of Sciences: CAS)は、中国全土に約100の様々な使命を持つ研究所を統括する大きな国家研究機関です。 我々は、CASの協力により北京市にある中国科学院生物物理研究所(IBPCAS)と中国科学院微生物研究所(IMCAS)の中にそれぞれ日中連携研究室を設置しています。 IBPCASには松田善衛特任教授が、IMCASには石田尚臣特任准教授が赴任し、日本人スタッフや中国人若手研究者とともに研究活動を行っています。 第1期から継続しているHIVに加えて、第3期からはデングウイルス、ノロウイルスなどをテーマとした研究を行います。 ハルビン市では、中国農業科学院ハルビン獣医研究所(HVRI)において、医科研の河岡義裕教授とHVRIの陳化蘭教授が高病原性鳥インフルエンザに焦点を当てた共同研究を行っています。 これら中国における活動を支えるために、林光江特任教授を中心に北京市にプロジェクトオフィスを運営しています。
我々は中国の最先端の研究機関と現地で共同研究を行うメリットを最大限に生かした研究を展開し、その研究成果を実用化につなげる出口指向型の研究を目指します。 その過程で、将来を担う日中双方の若手感染症研究者を育成し、共同研究活動を通じての日中友好にも貢献したいと思います。 皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。
アジア感染症研究拠点
拠点長 川口 寧