中国科学院生物物理研究所内に設置された日中構造ウイルス学・免疫学連携研究室の松田善衛特任教授のグループは、レトロウイルスの感染初期過程における膜融合のリアルタイム解析を可能にする新規レポータータンパク質を開発、改良してきた(Kondo N et al. JBC, 2010; Ishikawa H et al. PEDS 2013, 発表論文リスト参照)。
デュアルスプリットプロテイン(DSP)と名付けられたこのレポーターは、膜融合の進行をGFP、ルシフェラーゼ活性の両者で測定できる。今回ペンシルバニア大学Eisenberg 、Cohen教授らによって、DSPアッセイが単純ヘルペスウイルスの膜融合の解析に応用され 、従来法では測定できなかった膜融合動態が明らかにされた(J Virol, 14 August 2013, 10.1128/JVI.01700-13,
http://jvi.asm.org/cgi/content/abstract/JVI.01700-13v1?etoc)。
この報告は、DSPアッセイ がレトロウイルス以外のウイルスでも有用な解析ツールであることを示した最初の報告である。