中国感染症情報
個別感染症情報(2009年)
衛生部の統計によれば、中国で1985年に初のエイズ患者が出て以来2009年10月末までの累計で、HIV感染者が319,877症例、そのうちエイズ患者が102,323症例、49,845人の死亡が報告されている。今年、衛生部はUNAIDS、WHOと共同で2009年のエイズ流行状況について見積りを行った。その結果、2009年末現在、現在生存中のHIV感染者およびエイズ患者は約74万人、そのうちエイズ患者は10.5万人。2009年の新たなHIV感染者は4.8万人であった。
現在中国のエイズ流行状況には四つの特徴がある。第一には流行上昇度が緩やかになっており、総合的な予防効果が表れ出していること。第二には性感染が主な伝播経路となっており、同性間での伝播の上昇傾向が著しい。これは特に注意すべき新たな状況である。第三は全国的な流行状況は相対的には低くなっており、地域的に流行がおきている。第四には全国的にエイズの影響を受けるグループが増加しており、流行の仕方が多様化している。
中央財政では2003年の3.9億元から徐々に増加し、2008年には約9.94億元が投入された。地方財政投入は2003年は1億元に満たなかったのが、2008年には約6億元にまで増加し、エイズ予防活動に経費的な補償を与えている。
中国衛生部の通報によれば、今年1から9月にかけてマラリアの発生は総合的に減少しており、全国で11,735症例、うち悪性832症例が報告されている。これは2008年同時期と比べそれぞれ41%、2%の減少となる。しかし輸入症例の流行は依然として中国のマラリア予防対策に脅威を与えている。このところ安徽、甘粛、遼寧の3省衛生部門より、アフリカからの帰国者7名の悪性マラリア感染が相継いで報告されており、うち1名は死亡。
このため衛生部はマラリア流行の確認された省に対し、予防対策を強化するよう求め、また流行のない省に対しては、マラリア予防に対する意識を高め、東南アジア、アフリカなど流行地区からの帰国者に対する感染流行の監視を強めるよう求めている。
香港衛生署衛生防護センターはA型インフルエンザ(H9)の感染症例を確認し、現在調査中である。これは比較的症状の軽い鳥インフルエンザの一種である。
3日の衛生防護センター発表によれば、患者は47歳女性、広東省居住。10月26日呼吸が早くなり痰を伴う咳などの症状が出始め、28日受診のため香港へ。クイーンマリー・ホスピタルに入院し、現在病状は落ち着いている。
10月29日患者の呼吸器からのサンプルにA型インフルエンザ(H9)ウイルスを確認した。患者は他の病気をもち、長期服薬中。潜伏期に広東省に居住していたため、衛生防護センターは本件を広東省衛生当局に通報した。
患者の家族には特に症状はみられないが、衛生防護センターは家族らに対し医学観察を行っている。
香港でH9鳥インフルエンザ感染を確認したのは6人目となる。これまで1999年、2003年、2007年、2008年に女児4名、男児1名が感染している。
- 7月30日青海省海南州興海県子科灘鎮で、ペストに似た伝染病が発見され、実験室での48時間細菌培養の結果、陽性を呈した。患者の臨床状態と疫学調査および実験室の検査結果に基づき、肺ペストと診断された。
- 確定症例は12名、そのうち初めに感染した患者(男性、牧畜業、32歳)は死亡、その他の11名は主に死亡者の親族であり、指定病院で隔離治療中。病状は安定している。
- 流行発生後、青海省委員会および省政府は事態を重くみて、省、州、県の範囲で突発公共衛生事件応急案を発動した。専門家はすでに現場に赴き、疫学調査や濃厚接触者の追跡管理、発生地区の処理などを進めている。現在、子科灘鎮および周辺地区は封鎖されているが、現地の物資は充足しており、人々の生活も秩序が保たれている。
- 衛生部門では、7月16日以降に当該地区を訪れた者で、発熱、咳などの症状がある場合は現地のCDCで受診するよう呼びかけている。
- 北京市衛生局の発表によれば、先週、今年3人目の手足口病死亡症例がでた。患者は3歳の地方から北京に来ている児童で、通州区に居住、6月30日に死亡した。これで今年に入って手足口病による死亡者は3名となり、すでに昨年の2名を上回った。
- 今年北京で報告された3名の死亡例はともに地方から北京に来た児童である。先週、北京で936症例の手足口病が報告された。これは先々週と比べ12.28%の減少であり、昨年の同時期と比べて12.61%減少している。患者は主に児童であり、今年に入って累計13,786症例が報告されている。
- 記者が山東省手足口病予防対策テレビ会議で得た情報によれば、山東省の手足口病流行は二回目のピークを迎え、8日24時までに全省で87,126症例が報告され、うち重症が3,308症例、死亡者も44名に達した。これは全国最多である。現在の流行は、前期に西部地区に集中していたのとは異なり、東部地区で流行が急速に拡大している。
- 6月全省で報告された症例のうち、青島、濰坊の両市で27.5%を占める。青島で3,661件、濰坊で3,832件の報告があった。また菏澤、臨沂など、もともと流行が多発していた地域でも患者数が増加している。
- 中国新聞社上海6月18日電。長年HIV/AIDSの予防、治療研究に携わってきた上海CDCの康来儀終身教授は、18日上海科普(科学普及)フォーラムの席上で、中国には潜在的なHIV感染者が40万以上にも達し、その中でも性感染による伝播の比率が高まっていると述べた。
- 中国衛生部の報告では2008年末時点で、中国のHIV感染者は27万人余りとされているが、専門家の推計によれば、実際の感染者は70万以上であろうと、康教授は言う。中国のHIV感染者の中で、2005年までの20年間で、性感染の比率は10%にも満たなかったが、2008年になってその比率は45.8%と、急速に増加している。逆に薬物などによる感染の比率は下がっている。
- 康教授によれば、性感染の中でも同性愛者のHIV感染の増加が最も著しい。2005年上海の同性愛者のHIV感染率は1.5%、2006年は4.2%、2007年には7.5%となった。
- 中国の多くの省や市ではハイリスク群に対する関与活動グループが出来ており、感染経路となりやすい場所でHIV予防に関する知識の宣伝活動を行っている。康教授によれば、これらの努力によって、上海のセックスワーカーのコンドーム使用率は2001年の14%から現在は40%以上と、効果をあげているという。
- 5月20日午後、青海省重大動物疫病予防制圧指揮部によれば、先日青海省海南チベット族自治州更尕海地区でH5N1高病原性鳥インフルエンザが発生した後、現地政府および防疫部門は有効な措置を講じ、流行拡大防止につとめている。
- 5月18日、農業部が正式発表したところでは、青海省海南チベット族自治州更尕海地区で渡り鳥に高病原性鳥インフルエンザが発生した。同省重大動物疫病予防制圧指揮部によれば、19日までに死亡した渡り鳥は累計199羽。20日に発見された羽は、国家鳥インフルエンザ参考実験室に送られた。
流行発生後、現地政府と衛生防疫部門はただちに予防制圧措置を講じ、拡大防止に努めている。発生地区への主要道路には臨時消毒検査所4か所を設け、通行車両に消毒を行い、関係者以外の出入りを禁じている。また、家禽への感染を防ぐため、すでに2.1万羽以上の家禽を処分し、2.3万羽以上にワクチンを投与している。今のところ、家禽への感染は確認されていない。
- 国家鳥インフルエンザ参考実験室の確定診断によれば、チベット自治区ラサ市城関区八一小区の家禽売り場で、4月12日、H5N1高病原性鳥インフルエンザが発生した。
- 発生後、農業部とチベット自治区人民政府は応急措置を採り、感染発生地域に対して封鎖・消毒を行い、地域内の家禽1,679羽を処分した。
- 現在のところ、措置は奏功し、密接接触者の中に異常は見られない。
- 2009年3月(2009年3月1日零時から3月31日24時)、全国(台湾、香港、マカオを含まず。以下同様)で、甲類伝染病の発生および死亡例の報告はなかった。
- 乙類伝染病はSARS、ポリオ、鳥インフルエンザ人感染、ジフテリア無症状者、死亡例の報告以外に、21種の伝染病発症359,516例、死亡1,109人が報告されている。発症数上位5種は、ウイルス性肝炎、肺結核、梅毒、赤痢、淋病で、乙類伝染病報告数の94.95%を占める。
- 丙类伝染病の発症は129,191例、死亡35人。発症数上位3種は手足口病、その他感染性下痢、流行性耳下腺炎で、丙類伝染病報告数の86.23%を占める。
- 参考資料:2009年3月全国法定传染病发病、死亡统计表.doc
- インフルエンザ、麻疹、流行性耳下腺炎、手足口病等の伝染病が多発する季節を迎え、一部の地域では手足口病の流行が社会の注目を集めている。
- 2009年1月1日から3月26日まで、全国30省・自治区(チベットを除く)で、計41,846例の手足口病が報告されている。そのうち、重症例は94例、死亡例18例。5歳以下の児童が主で、全体の93.96%を占めている。また原因ウイルスはEV71が75%を占める。
- 河南省では4,761例の手足口病が報告され、そのうち重症が37例。河南省民権県では419例、うち重症16例。5歳以下の児童が98%を占める。衛生部は河南省から手足口病による死亡例7例の報告を受けている。そのうち開封2例、周口1例、民権2例、商丘2例。
- 山東省では手足口病3,280例が報告され、うち重症は39例。山東省菏澤市では1,129例、うち重症36例が報告されている。5歳以下の病例が97.93%を占める。衛生部は山東省からの手足口病による死亡例5例の報告を受けている。内訳は菏澤4例(牡丹区2例、曹県1例、鄄城県1例)、済寧1例。
- 統計によれば、2008年、中国(香港、マカオ、台湾を除く)で、手足口病が約48万9千例報告された。そのうち重症例1,165例、死亡例126例。全国31省・自治区で症例が報告され、5歳以下の児童が91.27%を占めた。
- 中国内の9つの大都市で同時に行われた専門調査によると、MSM(男性と性行為をする男性)グループにハイリスク行為がみられ、HIV感染のリスクが高く、さらに、MSMが、ハイリスク集団から一般集団へのHIV感染の主要な経路となっていることが分かった。
この調査を統括した青島大学医学院付属医院・性健康センターの張北川教授によれば、このグループのハイリクス行為の特徴に焦点をあててHIV予防措置を策定し、有効な関与を行うことが、中国のHIV感染拡大を阻止する当面の急務だという。
- 調査は中国CDC、青島大学医学院付属医院・性健康センター、青島市CDCなどの9組織が、ハルビン、瀋陽、西安、鄭州、上海、南京、武漢、重慶、成都で2,250名のMSMを対象に、匿名アンケートとHIV抗体検査を行った。被験者の平均年齢は26歳、20.7%が既婚者。
- 調査結果によれば、94.8%が最近6カ月以内に男性と性的関係をもち、既婚者の74%に女性の性的パートナーがいる。半数近くがMSMの集まる場所で男性パートナーを探し、一度限りの性的関係をもっている。主にインターネット、バー、浴場などで相手を探している。18.6%が多人数での性行為を行ったことがあり、13.2%に売春経験がある。また、22.4%が6カ月以内に性病の症状があったと答え、24.4%がHIV検査を受けたことがあるという。本調査のHIV抗体検査では、2.2%が陽性であった。
- このところ全国的に手足口病の報告例が増加しているが、海南省でもこの三週間で報告症例が累計366例に上った。
- このため海南省衛生庁は今日、緊急通知を出し、早期発見と有効な予防措置により、手足口病(特にEV71型)の大流行を防ぐよう各地域の関連部門に呼び掛けた。
- 最近、一部のメディアで河南省民権県がカルテの改ざんによって手足口病の流行を隠蔽していたと伝えていたが、衛生部は事態を重くみて、関連部局、中国CDC、地壇病院の専門家を組織、18日現地に派遣し、手足口病の流行状況を調査し、予防作業を指導した。
- 3月18日、衛生部の専門家グループは現地に到着後、座談会を組織し、関連状況を調査したのち、民権県人民病院へ行き、患児のカルテ、診察記録、伝染病症例登記簿、インターネット報告などの状況を確認し、医療従事者からも事情聴取を行った。
- 調査によれば、2008年の一年間で49症例の手足口病が報告されている。小さな村に分散しており、5月から11月にかけて発生、そのうち7、8、9月は報告がなかった。2009年1月1日から3月18日までの間に、民権県では手足口病220症例(全省最多、他地域で治療を受けた民権県の患児も含む)が報告された。
- メディアが報じた隠蔽問題に対する、河南省衛生庁、民権県の合同調査グループの調査結果は次の通り。患児の診断は比較的早く、治療は基本的に妥当であった。しかし患児のカルテには記載があいまいだという問題が普遍的に存在し、医療従事者のカルテ記入がずさんであった。カルテの偽造による手足口病流行隠蔽の可能性は少ない。現在のところ2名の患児が手足口病によって死亡した可能性は排除しきれず、さらに調査が必要。報道されたような、患児医療費やγグロブリン販売価格の不当な高値は、事実と異なる。報道された中で、救急車費用の高値、民権県CDCが伊康ブランド初乳カプセル(健康食品)を販売していた問題は事実である。
- 新華社記者が、2月28日蘭坪県委員会宣伝部と県衛生局等から収集した情報によれば、雲南省怒江リス族自治州蘭坪ペー族プミ族自治県で病気の集団発生がおきた。専門家の診断によれば、集団発生ではあるものの外部への伝播過程がなく、感染症である根拠は不足している。現在発症者は10名に増加し、うち1名が死亡した。
- 2月18日蘭坪県中排郷碧玉河村の或る建築現場で、原因不明の病気が集団発生し、9名が発症した。共同生活をしていたのは21名。19日、9名が中排郷医院へ移送され、県CDCも治療協力に向かった。蘭坪県委員会および県政府は報告を受けた後、すぐに医療指導グループを組織し、24日に病人を県医院に移送し治療を行った。26日晩、雲南省衛生庁が組織した雲南省CDC疫学専門家と昆明医学院第一付属医院臨床専門家が蘭坪へ向かい、治療と原因究明にあたった。27日、専門家集団が発病した出稼ぎ労働者から、接触者や生活状況を調査していた時に、新たな病人が確認された。これまでに発症者は10人に上り、うち1名が死亡。
- 専門家によれば、この10名の病人には共に、発熱、腹痛、嘔吐、下痢、四肢筋肉の痛み、下肢浮腫などの症状があり、人によっては関節が動かない、筋肉が麻痺する、虫が這うような感覚が見られるという。
- 蘭坪県CDCでは病人の飲用水、血液、尿などを採取して検査を行っており、環境保護部門では飲用水の水源に対し、重金属検査を行ったが、ともに問題は発見されていない。
日時:2009年2月25日
情報源:中央政府門戸網(衛生部HPより)
内容:陳竺部長、国際HIVワクチン事業代表らと会見
- 2009年2月21日午前、衛生部部長陳竺は、国際HIVワクチン事業(Global HIV Vaccine Enterprise, GHVE)ディレクターのアラン・バーンスタイン博士(Dr. Alan Bernstein)一行と会見した。
- 陳竺部長は、現在中国が行っている医療体制改革の主な内容、医療機構と衛生部門人的資源の現状などを紹介し、「エイズ、ウイルス性肝炎など重大感染症の予防」、「重要な新薬開発」プロジェクトについて説明した。陳部長はまた、中国医学技術の重点は、重大な健康問題を解決することにあり、今後、実用性、転用性の高い研究を強化すべきである;国内外の資源を整え、国家レベルの医学研究機構と人員建設を進めると述べた。バーンスタイン博士は、研究成果から臨床製品への転用は非常に重要なことであり、さらに多くの若手研究者がワクチン研究に携わるよう、人材育成を進めるべきであると述べた。
- 2月10日農業部新聞弁公室の発表によれば、新疆・和田(ホーテン)地区墨玉県扎瓦郷粮站でN5H1高病原性鳥インフルエンザ感染が発生し、同10日、国家鳥インフルエンザ参考実験室で確定診断された。
- これにより519羽の家禽が死亡。農業部及び新疆ウイグル族自治区人民政府は早速対応措置を行い、13,218羽を処分した。現在、感染被害の拡大は抑えられている。
- 中国農業部新聞弁公室の発表によれば、山西省で発生した豚千頭の死亡は、2月9日、高病原性豚青耳病(訳注:正式名称は「豚繁殖呼吸障害症候群」または「豚呼吸器・生殖器症候群」、PRRS)によるものと診断された。
- 調査によれば、洪洞県万安鎮で1万4千頭あまりの豚のうち、2月6日までに1,056頭が死亡した。7日、同省の専門家集団が現地に向かい、死亡状況から疫学調査を行い、病死した豚の血液と組織サンプルを動物疫病予防コントロールセンターに送ったところ、9日、高病原性豚青耳行と確定診断された。
- 山西省獣医部門は感染拡大のための緊急措置を講じた。感染地域を封鎖し、人と車両の出入りを制限している。感染地域内の感染した豚および同じ群れの豚をすべて処分し、病死した豚の追跡を行っている。目下、同省関係部門の調査では、病死した豚は市場に出回っておらず、現地市民の生活は秩序が保たれている。
- 衛生部の発表によれば、2009年1月(2009年1月1日零時より1月31日24時)、全国(台湾、香港、マカオを含まず)で報告された甲、乙類伝染病は241,484人、死亡は593人。
- ペスト、SARS、ポリオ、ジフテリア無症状者、死亡症例の報告以外に、23種類の甲、乙類伝染病が報告されている。発病数上位5位は、B型肝炎、肺結核、梅毒、伝染性下痢症、C型肝炎で、甲、乙類伝染病報告数の89.16%を占めている。報告死亡数の上位5位は、エイズ(訳注:267人)、肺結核(同:117人)、狂犬病(同:95人)、B型肝炎(同:42人)、C型肝炎(同:18人)で、甲、乙類伝染病死亡報告数の90.89%を占めている。全国でコレラ20症例が報告されたが死亡例なし。高病原性鳥インフルエンザ人感染7例、死亡4人であった。
- 同時期、全国で丙類伝染病発病は66,459例、死亡10人が報告されている。発病数上位3位は、その他感染性下痢、流行性耳下腺炎、手足口病で、丙類伝染病報告数の90.97%を占めている。
*訳注の数値は衛生部HPより
http://www.moh.gov.cn/publicfiles/business/htmlfiles/mohbgt/s3582/200902/39079.htm
- 雲南省衛生庁と玉渓市政府は、2日午後、通海県のコレラについて記者会見を開き、最新情報を伝えた。
- 雲南省玉渓市通海県四寨村でコレラの感染が発生した。その後、華寧県、江川県でも感染がみられた。衛生部門は、確定診断20例、保菌者27名を確認した。
- 雲南省衛生庁長・陳覚民によれば、これまでに感染による死亡例は出ておらず、二次感染や感染の拡大も起きていない。隔離治療中の47名はすべて回復しており、感染は完全に抑えられているという。
- 香港文匯報の報道によれば、香港漁護署(漁農自然護理署,英語名:Agriculture, Fisheries and Conservation Department,AFCD)は、29日と31日に大嶼山沙螺湾でカモ、ガチョウ計3羽の死骸を発見した。初期的な検査ではH5ウイルス陽性反応を呈し、18人が監察下に置かれる。死骸発見個所から3キロ範囲以内には家禽農場がないため、漁護署では死骸が香港内外の他の場所から漂着したものではないかとみて調査中。
- 衛生防護センターで、死んだ鳥を報告した市民6名と死骸回収にあたった職員12名に対し追跡調査を行ったところ、17名は何の症状もなかったが、医学観察下におかれている。その他の1名、26歳運転手には、1月27日に発熱と上気道感染の症状がみられた。漁護署では、鳥インフルエンザに感染した可能性は低いとみているが、入院観察措置をとっている。
- 香港特別区では2006年から個人の家禽養殖を禁じている。許可なくニワトリ、カモ、ガチョウ、鳩、ウズラなどを育てた者には、最高5万元の罰金、重犯者には10万元の罰金が課せられる。
- 香港鴨鵞同業互助会・前主席の郭志有氏によれば、現行の法令では市民がカモ、ガチョウを飼育することを禁じている。離島で飼育している者がおり、ワクチン接種もしていないために、H5ウイルスの感染を引き起こしたのではないかという。
- 湖南省衛生庁は31日、同省で新たに高病原性鳥インフルエンザ人感染が確認されたと通報した。
- 患者は21歳女性、農民、湖南省溆(サンズイに叙)浦県在住。1月23日同県で発症、病状悪化により1月26日同県人民医院にて入院治療を受ける。1月29日長沙市の中南大学湘雅医院に転院。目下病状は落ち着いており、臨床上の症状も好転している。
- 1月29日湖南省CDCが患者のサンプルを検査した結果、鳥インフルエンザH5亜型陽性を確認し、1月30日中国CDCの再検査で、H5N1陽性を認めた。疫学調査によれば患者は発症前に病死した家禽との接触があった。
- 感染発生後、現地政府は事態を重視し、「高病原性鳥インフルエンザ人感染応急措置案」に基づき予防措置をとっている。すべての密接な接触者に対して厳密な医学観察を実施し、疫学調査を行っているが、今のところ臨床上の異常はみられない。
- 湖南省衛生庁の通報によれば、1月19日湖南省懐化市で、貴州からの鳥インフルエンザ人感染症例を確認しており、患者は1月20日死亡している。
- 広西壮族自治区で鳥インフルエンザ人感染一症例が確定診断された。
- 患者は18歳男性。広西省北流市居住。2009年1月19日発症、即日現地の衛生院で受診、1月24日に玉林市紅十字(赤十字)会医院へ転院。治療のかいなく1月26日死亡。疫学調査によれば、患者は発症前、病死した家禽との接触歴があった。
- 1月25日広西自治区CDCが患者のサンプルを検査した結果、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性を確認。1月26日中国CDCがサンプルを再検査したところ、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性を認めた。
- 感染発生後、現地政府は事態を重視し、「高病原性鳥インフルエンザ人感染応急措置案」に基づき「突発公衆衛生事件U級応急態勢」を発動し、予防措置をとっている。すべての密接な接触者に対して厳密な医学観察を実施し、疫学調査を行っているが、今のところ臨床上の異常はみられない。
- 1月25日貴州省衛生庁の通報によれば、同省で鳥インフルエンザ人感染一症例が確定診断された。患者は29歳男性、貴陽市雲岩区在住。
- 患者は2009年1月15日発症、即日貴州省人民医院で受診した。現在重体。貴州省衛生部門は衛生部専門家の指導のもと、全力で治療にあたっている。疫学調査によれば、患者は発病前、生きた家禽市場での暴露歴があった。
- 1月23日貴州省CDCが患者の呼吸器分泌物サンプルを検査した結果、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性を確認。1月25日中国CDCがサンプルを再検査したところ、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性を認めた。
- 感染発生後、現地政府は事態を重視し、「高病原性鳥インフルエンザ人感染応急措置案」に基づき予防措置をとっている。すべての密接な接触者に対して厳密な医学観察を実施し、疫学調査を行っているが、今のところ臨床上の異常はみられない。
- 1月24日、労働・社会保障局によれば、エイズ患者の基本医療保険待遇を向上させるため、天津市で新たな政策が生まれた。
- 天津市城鎮(=都市)職工基本医療保険、城鎮居民(=都市住民)基本医療保険および生育保険に加入しているエイズ患者を対象にしたもので、この規定は24日から施行される。
- 同規定には以下の内容が明記されている。
- エイズ患者に入院治療の必要が生じた場合、衛生行政部門指定の天津市伝染病病院で治療を受けなければならない。
- 抗HIV薬は基本医療保険でまかなわれ、母子感染予防のための薬品は生育保険基金から全額支給される。
- エイズ患者の日和見感染治療薬の清算は、現行の入院費用清算率を5%増額する。
- 本人あるいは後見人の同意なく、エイズ患者の職業、生活、病歴などの情報を公開してはならない。
- 1月24日新疆ウイグル自治区衛生庁の通報によれば、当該自治区で高病原性鳥インフルエンザ人感染症例を確認した。患者の姓は張、31歳女性、ウルムチ市頭屯河区に居住。
- 患者は2009年1月10日に発症、病状悪化後入院、治療を受けていた。1月23日早朝4時40分死亡。
- 1月22日新疆ウイグル自治区CDCが患者のサンプルを検査した結果、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性を認めた。1月24日中国CDCが患者の呼吸器分泌物サンプルを再検査したところ、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性を呈した。疫学調査によれば、患者は発症前に生きた家禽の市場で暴露歴があった。
- 新疆ウイグル自治区政府は事態を重く見、「高病原性鳥インフルエンザ人感染応急措置案」に基づき予防措置をとっている。すべての密接な接触者に対して厳密な医学観察を実施し、疫学調査を行っているが、今のところ臨床上の異常はみられない。
- 20日の新華社電によれば、このところ北京、山西、山東、湖南で鳥インフルエンザ人感染症例が報告され、社会の注目を集めている。
- 衛生部部長・陳竺は、20日、鳥インフルエンザ人感染・予防テレビ電話会議で、「現在は鳥インフルエンザ人感染の多発する季節であり、感染予防の情勢は厳しい。各地の衛生部門は予防を強化し、各対策を確実に実行するように」と述べた。
- 先日湖南省で確認された懐化市の鳥インフルエンザ人感染症例患者は、20日午前8時10分頃死亡した。湖南省衛生省の通報によれば、16歳の男性患者の家は貴州省黔东南州にあり、今年1月8日貴州で発症、病状悪化のため1月16日湖南省懐化市の病院に転院、治療を受けていた。1月19日中国CDCが患者のサンプルに対して再検査を行った結果、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性を認めた。患者は発症前、病死した家禽と接触していた。
- 20日山西省政府の関係会議で知りえたところでは、山西省の鳥インフルエンザ人感染症例の67名の密接接触者のうち、すでに3名が医学観察を解かれた。目下その他の64名にも発熱症状はみられない。先の衛生部門による通報では2歳女子。1月7日に湖南省で発症、11日祖父母に付き添われ山西省呂梁孝義市に帰宅した。現在、太原市第四人民医院で治療を受けている。17日中国CDC等の機構による再検査では、高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1の感染が認められた。20日17時現在、患児の病状は落ち着いているが、いまだ危険な状態にある。
- 『第一財経日報』の報道によれば、患児が入院治療を受ける数日前、母親が死亡していた。母親は12月21日から26日の間に生きた家禽との接触歴があり、12月28、29日に微熱、後に重篤な肺炎にかかり、2009年1月6、7日に死亡した。高病原性鳥インフルエンザの重症患者は往々にして肺炎などの症状を呈するが、患児の母親のサンプルが残されていないため、死亡原因が鳥インフルエンザであったかどうかは確認できない。母親が死亡した後、この患児は1月7日に発症した。
- 衛生部、昨晩(1/19)の発表によれば、湖南省で高病原性鳥インフルエンザ人感染一症例が発生した。これは今年に入って二十日足らずの間に中国疾病コントロールネットワークが発見、確定診断した四人目の鳥インフルエンザ感染である。
- 衛生部によれば、患者は2009年1月8日貴州で発症、病状悪化により、1月16日湖南省懐化市に転院、入院治療中。感染発生後、現地政府は予防措置をとっている。現在のところ、密接な接触者に臨床上の異常はみられない。
- 1月6日、北京市で今年初めての鳥インフルエンザ人感染が報告された。その後、1月17日、18日と昨日(19日)、山西、山東、湖南で相次いで人感染症例が報告されている。
- 四人の患者はそれぞれ、19歳、2歳、27歳、16歳。国家インフルエンザセンターの分析によれば、この年齢層は、2005年に中国で初めて鳥インフルエンザ人感染が確認されてから現在にいたるまでの34名の患者の中で主流を占めている。
- 今月の発症者4名のうち、北京と山東の女性患者2名が死亡している。
- 1月19日湖南省衛生庁は、省内で高病原性鳥インフルエンザ人感染一症例が確定診断されたと通報した。患者は16歳男性、学生、自宅は貴州省黔東南州。
- 患者は2009年1月8日貴州で発症、病状悪化により、1月16日湖南省懐化市に転院、入院治療中。重体。
- 1月17日湖南省CDCは患者のサンプルに対して検査を行った結果、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性反応が見られた。1月19日中国CDCが再検査を行い、H5N1を確認。疫学調査によれば、患者は発症前、病死した家禽との接触があった。
- 感染発生後、現地政府はこれを高度に重視し、「高病原性鳥インフルエンザ人感染応急措置案」に基づき、同17日「突発公衆衛生事件」U級応急態勢を発動、予防措置をとっている。すべての密接な接触者に対して厳密な医学観察を実施し、疫学調査を行っているが、今のところ臨床上の異常はみられない。
- 本症例の状況について、衛生部はすでにWHO、香港・マカオ・台湾地区および一部の国に通報を行った。
- 新華社電によれば、山東省で高病原性鳥インフルエンザ人感染が1症例確定診断されたと、山東省衛生庁18日から通報があった。
- これ以前も17日夜、山西省で感染が確認されていた。農業部の専門家によれば、春節を前に、畜産品の交易が活発になるため、鳥インフルエンザの発生と伝播の危険性が高まっている。
- 患者は27歳女性、山東省済南市に居住。2009年1月5日発症、病状悪化の後、入院治療を受けた。重体のため治療のかいなく、1月17日18時40分死亡。
- 同日、山東正CDCは患者の呼吸器サンプルに対し検査を行ったところ、鳥インフルエンザウイルスH5N1陽性反応が確認された。1月18日中国CDCの再検査でもH5N1陽性が認められた。
- 17日夜、山西省衛生庁の通報によれば、省内で鳥インフルエンザ人感染が1症例確定診断された。患者は女性、2歳、山西省呂梁孝義市在住。
- 患者は1月7日湖南省で発症、11日両親とともに山西省へ帰宅。病状が悪化し、14日山西省Fen(サンズイに分)陽医院で受診。対症療法により病状好転の後、14日晩に山西省児童医院に転院。現在、重体。
- 1月17日中国CDCおよび中国医学科学院が患者のサンプルに対して再検査を行ったところ、鳥インフルエンザH5N1核酸陽性が認められた。
- 山西省政府は「高病原性鳥インフルエンザ人感染応急措置案」に基づき、同17日「突発公衆衛生事件」U級応急態勢を発動、予防措置をとっている。すべての密接な接触者に対して厳密な医学観察を実施し、疫学調査を行っているが、今のところ臨床上の異常はみられない。
- 本症例の状況について、衛生部はすでにWHO、香港・マカオ・台湾地区および一部の国に通報を行った。
- 1月5日北京で高病原鳥インフルエンザ人感染1症例死亡例が発生したのち、6日北京市は「突発公衆衛生事件」U級応急態勢を発動した。1月12日、北京市突発公衆衛生事件応急指揮部事務室は、200名の密接な接触者に対する医学観察を解除した。
- 現在、動物の鳥インフルエンザ感染も、新規の鳥インフルエンザ人感染および疑い例も報告されていない。
- 患者の病室、医療廃棄物、遺体の消毒および密接接触者隔離場所の処理をすべて終了し、また疫学調査、標本採集、ウイルス株分離作業も完了した。
- 中国CDCウイルス研究所副所長、国家インフルエンザセンター主任・舒躍龍研究員が記者の質問に答えた。内容は以下の通り。
- 全世界及び中国での鳥インフルエンザ人感染の発生状況に基づき、動物の感染流行を合わせてみると、中国における鳥インフルエンザ人感染の散発症例は絶えず出現すると予測できる。感染源の不明な症例は依然として存在し、(感染源への)共同暴露が家庭内での集団感染を引き起こしている。
- 今後、新しい症例が増えるたび、ウイルスは適応性変異や遺伝子変異によって人への感染能力を高めることになる。鳥インフルエンザの予防は依然として重大で長期にわたる任務である。
- 北京の鳥インフルエンザ感染死亡例を含め、1月7日までに中国国内では鳥インフルエンザウイルス(H5N1)人感染症例は30件報告され、そのうち20症例が死亡。
- 疫学的な分析によれば、30症例のうち7割以上が冬季・春季に集中している。南京の2症例が家庭内感染である以外は、すべて14の省/直轄市の30県/区で散発しており、南方の省を主とする。都市部より農村地域に多い。
- 15症例は発病前に直接あるいは間接的に死んだ家禽と接触している(4症例は動物インフルエンザの流行地域と確定)。17症例は発病前に生きた家禽の市場を訪れている。1症例は感染源が不明。1症例は長期にわたり鳥インフルエンザ患者の看護にあたっていた。この症例では、呼吸器の分泌物あるいは腸の排泄物に直接接触して感染した可能性が最も大きいが、家禽市場で感染した可能性も否定できない。
- 新たに確認された北京の症例では、ウイルス分離作業を行っている。確定診断された症例から分離された23株の鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に対して行った、遺伝子配列および抗原特性の分析からみると、ウイルスは2種類に分類されるが、ともに鳥類を病原とするもので、鳥インフルエンザと人インフルエンザの遺伝子交換を示す根拠はみられない。ウイルスの受容体特異性及びHAのアミノ酸配列特性は依然、鳥類を病原とし、人インフルエンザウイルスとは異なる。したがって現在のところ、中国の鳥インフルエンザ人感染は、依然として、鳥類および鳥類により汚染された環境循環を病原とするウイルスによるものである。
- 現在知られている鳥インフルエンザ人感染の経路は、主に家禽から人への感染である、病気の鳥や死んだ鳥に直接接触することが最大の危険因子である。十分に加工されていない家禽製品の食用にも危険が潜んでいる。生きた家禽市場は、都市における感染の危険因子である。いまなお四分の一が感染源を特定できないが、環境から人への感染経路を否定できない。
- 2003年以降、全世界10か国で45の集団発症が起きているが、その9割以上が血縁関係あるいは共同生活の家族であり、わずかが近隣、友人、同一地域での症例である。多くの集団発症では、共同暴露が確認されているが、親密な身体的接触があったという前提の下、限定された人から人への感染も存在する。
- 1997年香港ではじめて高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)人感染が報道され、確定診断症例は18、死亡例6であった。2003年12月ベトナムで鳥インフルエンザ人感染が報道された。
- 今年1月7日まで、全世界15カ国で確定診断された鳥インフルエンザ人感染は393症例、そのうち284症例が死亡、致死率は60%を上回る。
- 北京市衛生局によれば、市内で高病原性鳥インフルエンザの人感染症例が確認された。患者は19歳女性。北京市朝陽区三間房に居住。12月24日に発症、27日に病状が悪化し入院治療を受けたが、1月5日午前7時20分に死亡したという。
- WHOによる高病原性鳥インフルエンザ人感染診断定義および中国の診断基準に基づき、中国衛生部鳥インフルエンザ人感染予防専門家グループは、高病原性鳥インフルエンザ人感染症例と確定した。
- 人感染発生後、北京市政府は「高病原性鳥インフルエンザ人感染応急案」に基づき、予防措置を取り、疫学的調査を強化している。また、密接接触者すべてに対して厳密な医学観察を行っているが、今のところ臨床上の異常はみられていない。
- この患者の状況について、中国衛生部はWHOおよび香港・マカオ・台湾地区や一部の国にもすでに通報を行っている。