中国感染症情報
個別感染症情報(2012年)
2012年10月6日から9日にかけて黄石市でコレラが発生した。9月12時現在、症例3名と保菌者1名が確定診断された。治療の結果、患者の状態は安定している。調査によれば患者たちはレストランで会食をしていた。その店の従業員に保菌者がおり、前菜の加工を担当していた。
報告を受けて、発生地の党委員会や地方政府は事態を重く見て迅速に対策を講じた。湖北省衛生庁、同省食品薬品監督局は専門家を派遣し現地で指揮にあたらせている。黄石市の関連地区では応急体制をとり、予防専門家を組織し、患者の隔離や密接接触者の管理、予防服薬、消毒、ハエの駆除、監視監督、健康教育などの措置を採っているほか、食品安全管理と衛生運動を強化している。
2012年9月2日四川省甘孜州理塘県村戈郷の村民が放牧中、死んだマーモット(齧歯目リス科マーモット族の哺乳類の総称)を発見。テントに戻った後、他の村民と共に皮を剥ぎ食べた。9月4日発熱と悪寒、全身倦怠感、吐き気、嘔吐、下痢、右腋の下の腫れや痛みなどの症状を呈し、家庭での服薬も効果が見られなかった。9月7日病院で受診、医療従事者が「ペスト疑い例」として現地のCDCに報告した。9月7日19時頃、患者の呼吸が激しく唇が紫色になり、四肢硬直などの症状が現れ、手当の甲斐なく死亡した。9日17時、省と州のペスト専門家が患者のサンプルからペスト菌を検出。臨床的特徴、疫学調査および実験室の検査結果から、国と省の専門家グループはこれを腺ペストから移行した敗血症ペストと診断した。
感染発生後、省、州、県は直ちに緊急対応措置をとり、至急、指揮者と専門家を現場に派遣し処置にあたらせた。9月10日10時現在、新たな発症例はなく、密接接触者にも異常はみられない。
昨日衛生部の記者会見において、衛生部・ケ海華報道官は、江蘇省の村民が病気の牛を屠殺したことが原因で皮膚炭疽を発症した件について、以下の様に述べた。2名が皮膚炭疽と確定診断され、その他5名は医学観察中で病状は安定しており、重症例や死亡例は無い。
江蘇省贛楡研贛馬鎮半路村の村民10名が、他省から運んできた病死した牛を処分した。7月25日7名に皮膚浮腫などの症状が現れた。8月3日うち2名の村民が現地の病院で皮膚炭疽と診断された。その他5名の症状は典型的なものでなく、経過観察されている。
江蘇省から報告された状況では、省衛生部門はこれまでに医学治療及び疾病予防の専門家による作業班を四組派遣し、現場の処置にあたらせ、一連の防疫作業を行っている。1.注意深く経過観察し、患者が適時有効な治療を受けられるようにする。2.流行状況の監視を強化する。3.患者および患者の家庭で使用されていた物品、屠殺用具を消毒処理し、流行拡散の防止につとめる。4.健康教育と予防知識の広報を行う。また同時に牧畜獣医部門にも流行状況を報告した。
目下患者及び経過観察者7名の病状は安定しており、重症例や死亡例は無い。その他の経過観察対象者にも異常はみられない。今後、衛生部は炭疽の流行状況に重大な注意を払い、適宜防疫作業を行っていくとケ海華報道官は述べた。
13日遼寧省衛生庁によれば、遼寧省瀋陽などで皮膚炭疽が発生し、現在までに7名の発症が確認されている。内訳は瀋陽遼中県3例、于洪区1例、その他地区3例、目下死亡例は無い。
流行発生後、現地の各政府はこれを重く見て対応措置を採っている。遼中県肖寨門鎮媽媽街村では全面隔離封鎖を行い、各種家畜および肉製品の輸送を禁止している。また人の移動に際しても厳格な防疫処理を行っている。感染者は瀋陽市第六人民病院で治療中である。
1月19日に貴陽医学院付属病院に収容した発熱患者は、22日貴州省CDCおよび中国CDCの実験室検査により鳥インフルエンザの人感染症例と確定診断された。新華ネット記者が22日衛生部より情報を得た。
紹介によれば患者は6日に発症。病状悪化の後、19日に貴陽医学院付属病院ICUに収容され治療を受けた。22日12時30分患者の病状が更に悪化し治療の甲斐なく死亡。現在まで71名の濃厚接触者に異常は出ていない。
感染発生後、貴州省衛生庁はこれを重く見て、貴州省委員会および省政府の要求に従い、衛生部の指導のもと全力で治療にあたるとともに、現場の疫学調査を進め、濃厚接触者に対し医学観察を行い、流行の監視を強化し、人感染の予防知識宣伝教育を行った。また『貴州省衛生庁、高病原性鳥インフルエンザ人感染予防業務に関する緊急通知』を出し、省内各地に対し感染予防の準備を行うよう求めた。
高病原性鳥インフルエンザ人感染は、主に鳥インフルエンザA (H5N1)ウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症である。鳥インフルエンザの人への感染は予防、制圧、治療が可能である。現在のところ、全世界で人から人への継続的な感染症例は見られない。